試奏したい弓が2本届いたとのことなので、レッスン後電車に揺られ、東京の某店へ向かった。
わくわくと試奏してみると、なかなか悪くない感触。
だけど・・・
やっぱり私のも、悪くない。^^;
店員さんの中に、ヴァイオリンのとても上手な方がいらっしゃり商品2本と私ので試奏していただいた。
上手すぎてどれで弾いても素晴らしく聞こえて、ますます混乱。
けど商品のほうが柔らかく上品な感じはする。
私のとキャラクターが全然違うので、これは室内楽にいいのではないかと思った。
2本のうち1本に少し心惹かれたのだけれど、少~し曲がっているのが見てわかる。
店員さんはこれくらいはよくあることだし直すほどでもないし木の特性だと仰るが、これがもし真っ直ぐだったら、もしかしていたかも。
ちなみに曲げ直しをすると火であぶるので、元々のキャラクターと変わってしまうかもとのことだった。
えっそうなんだ、ただ真っ直ぐになるだけだと思っていたんだけど。
私のサブ弓、少し曲がってしまって、直そうと思っていたけどやめておいたほうがいいのだろうか…?
ひとしきり試奏した後、店員さんとお話すると「今の弓が良いのでなにもこれらに買い替えることもなくないですか?」、ってなんていい店員さんなんだ。
ちなみに試奏した弓はベルギーの「J.P.Bernard silver」。
これは最近とても値上がりしてしまったのだけれど、今回試奏したのは値上がり前の仕入れ商品だからか、値上がり前の価格で売られていた。
ついでに全部まとめて同じ価格にしそうなものだけどね。
とそんなこんなで、弓探しの旅はまだまだ続きそう。
自分の中に求める(記憶の中にある)弓の理想形があるのだけれど、なかなかそれに巡り合えない。
持った時、なんというか心地良いヒヤリ感で「しとっ」としてと手に馴染むような。
て、ゆみ、でなくて、持つと腕と「すん」と繋がったような。
で、あまり軽すぎないの。
弾き心地は乾いた感じではなくて、やはりやや「しとっ」として、音がすんなり繋がるの。
うーん、感覚的なもので、うまく言葉にできない。。。
そして以前、弾いたことがあるこれに近い弓というのは。
もう7~8年?わからないけど、かなり前に都内の某弦楽器店にフェルナーボンだかフェルナンカーボンだったか、フェルナンブコの中に鉛筆の芯のようにカーボンが入っているという弓をネットで見てお店に飛び込みで行った時のこと。
残念ながらその弓はもう取り扱っていないとのことで、帰ろうとしたらせっかくだからと店内で他の弓をいくつか見せていただいた。
でも当時の私にとってはどれも高すぎる!と思い、店員さんとふたりで駄弁っていたところ、その方の自前の弓を何かの流れで弾かせていただいた。
そしてこれがとても気に入ってしまったのです。
まさに、しとっとしてすん、だった。
「10万円だったら売っていただきたいくらい」と言ったらその店員さん、身を乗り出し「えっマジですか!いいですよ!」。
あの反応からして、これそんな高いやつではなかったんだろうなぁ…と思いつつ、気に入ったので私もかなりその気になっていたのだけれど、前を向けてみてみると、やはり少~しだけ曲がっていた。
それが気になって、思いとどまり、なんやかや話してその日はお店を後にした。
あのお店、どこの何てお店だったかなぁ・・・某I袋駅周辺だったような気もするけど、もしかすると記憶違いかもしれない。
でも弓のメーカーははっきりと覚えている。
スイスの「FINKEL」、ランクは不明。そもそも当時、ランクがあるのも知らなかった(笑)。
その記憶があったので、今のサブ弓を某店で購入する際、「FINKELも見せてください」と聞いたら「一応ありますが、あれは有名なだけで無駄に高いんですよ」と言って「コスパで言ったらこっち」と他のをおすすめされた(結局そのお店では買わずじまいだったけれど)。
昨年、今の先生の下で弓を購入する際も、「FINKELが昔、気になって」と言うとどうも先生のお好みでないようで、工房の人と「〇さんがFINKELが合うってのもわかる、・・・な弾き方だから~~~なFINKELが弾きやすいと感じるのだろう」とごしょごしょ話していた。
その、「・・・」と「~~~」な部分はわちゃわちゃ試奏していてよく聞き取れなかったのだけれど、今更ながらに気になる、何て言ってたんだろう。
そしてそのFINKELを弾いたのは楽器をまたケースから出し始めたばかりの頃だったので、今以上に弾けないわけで、今弾くとまた印象が違うのかも。
ちなみに先日、某弦楽器店で弓をいくつか見せてもらったらFINKELが1本混じっていたが、それはさして琴線に触れることはなかった。
同じメーカー、型でもぜんぜん違うのは試奏の旅でよくわかったことなので、だからと言ってFINKELが合わないとは思わない。
・・・
まぁでも。
今の先生は、「今の弓で毎日とっても練習して20年はもつ」とおっしゃる。
私の残り健康寿命と、予想されるヴァイオリン成長度合と、所持している楽器のランクで、今のもので添い遂げるのがベストであると判断したってことなんだろね。
そしてそうなる可能性は高そうだし、それはそれでいいというか十分な気もしている。
などと言いつつ時折また試奏の旅には出ると思う、
ヒヤリ感のある「しとっとしてすん」な弓を探して。